ドライバーのシャフトは、飛距離、方向性、安定性に大きく影響しますが、アマチュアにとってはドライバーを変えることすら大変なのに、シャフトをいろいろ変えて試すことなど、なかなかできませんね。ですからクラブ交換やシャフト交換は十分検討してから決めるべきです。
最近のシャフトは
スリーブ付きが多く、誰でも簡単に交換できるようになりました。以前から見れば、自分の好きなシャフトを簡単に試す環境が整っています。とはいうものの一度買ってしまえば、多少の不満があったとしても、それをしばらく使わざるを得ないのが実情です。
クラブの寿命はどれくらい
クラブは大きく分けて、ヘッド、シャフト、グリップで構成されています。
寿命が一番短いのはグリップですね。
まれに何年も使っている人を見かけますが、材質の劣化もありますから、1年に1度くらいは交換したほうが良いでしょう。使用頻度が低い人でも、表面が硬くなってきて滑ったり、違和感を感じたりしたら交換したほうが良いと思います。
ヘッドは最低でも10年以上は持つそうで、手入れさえ良ければ20年でも十分使えます。
次にシャフトですが、一般に言われているほど短くはないようで、毎日100球以上打たなければ5年間ぐらいは平気で使えるそうです。ただしシャフトは急激な熱変化に弱いので、何度も繰り返すと素材に影響し賞味期限が短くなります。クルマのトランクにクラブを入れっぱなしはNGです。
シャフトのスペックとスイング
シャフトのスペックは大きく分けて、硬さ、重量、調子、トルクの4つです。
硬さはスイングにどう影響するのか
硬さとはシャフトの先端におもりをつけて、1分間に振動する振動数を表わしたもので、少ない順に、L-A-R-SR-S-X-XXと表示されます。LやAは女性向けで、男性はR以上を使うのが一般的です。
硬いシャフトのメリットとデメリット
ヘッドスピードが上がる(力む分だけ)
操作性が良くなる(球筋を打ち分けやすい)
低く抑えた弾道が打ちやすい力みやすくなる
トップからダウンで打ち急ぎやすくなる
アウトサイドインの軌道になりやすい
ボールが上がりづらくなる
軟らかいシャフトのメリットとデメリット
切り返しで打ち急ぎを解消できる
ゆったり切り返せる
アウトサイドインの軌道を解消できる
(インサイドから振り下ろせる)
高い弾道を打ちやすくなるヘッドスピードが上がりづらい
シャープなテンポでスイングがしづらい
操作性が悪くなる
低く抑えた弾道を打ちにくい
私も硬いシャフトを振ってみると、ほとんど右方向に出ます。ストレートボールを出すには、かなり力まないと出ません。つまりパワーがあってシャープなスイングをしたい人、低めの強い球を打ちたい人は硬めのシャフトが向いています。反対にスインガータイプでゆっくり切り返したい人、高い球を打ちたい人は軟らかいシャフトがあっています。
重量は
40g台から70g台までいろいろですが、最近のPGAの傾向は軽くて硬いものが好まれ、300ヤード越えのダスティンジョンソンでさえも60g台の「モトーレスピーダー661 X:先中調子」を使用しています。一般アマチュアの多くは50g台が妥当と言えそうです。
購入時に参考にする調子(キックポイント)とは
シャフトがいちばんしなる場所のことで、先-先中-中-中元-元 で表します。
先調子では先端がしなって打ち出し角が高くなり、中調子・手元調子ではミート率が良く正確なショットがしやすくなります。キックポイントが手元に来るにつれて、打ち出し角が低くなります。私の場合は、中手元調子に変えてから、方向が安定しました。
トルクとは
一定のおもりをつけてシャフトをねじった時の、ねじれ角度のことで、数値が大きいとねじれやすく、小さいとねじれが少ないということです。
大きいトルクのシャフトは、手が余計な動きをしてもヘッドがもとに戻ってきてくれるメリットがあります。スイングが不安定なゴルファーに向いています。
反対に小さいトルクのシャフトは手の動きに対して敏感で、安定したスイングの人がボールを操作するのに適しています。
ヘッドスピードの速い人が、大きいトルクのクラブを振るとヘッドが返ってこないので注意が必要です。
私の場合は4.2前後が向いています。
スイングのテンポとシャフト硬さ
一般にヘッドスピード43がRとSシャフト選択の分かれ目になりますが、スイングのテンポによっても合う場合と合わない場合があります。
スイングリズム、テンポが速い人は堅めのシャフト。
スイングリズム、テンポが遅い人は柔らかめのシャフト。スイングにタメがないと悩んでいる人は、柔らかいシャフトを選んでタメのあるスイングにする。テークバックが遅くシャフトのしなりが生まれないような人は、堅めのシャフトでスイングテンポを早くするなど、クラブでスイングを修正するという考え方もあります。
いずれにせよ、アマチュアゴルファーの多くは固いシャフトじゃなきゃ飛ばないと考えています。しかし、あなたのスイングリズム、テンポに合った硬さのシャフトを選ぶことこそ飛距離アップにつながります。男子プロゴルファーにRフレックスを使う人はあまりいないからといって毛嫌いせず、柔らかいシャフトから試打して自分に合うシャフトの硬さを見つけましょう。
プロゴルファー使用ドライバー
森田遥選手=ホンマ TW737 455 VIZARD EX-Z55 (S)
渡邉彩香、西山ゆかり、三ヶ島かな=JGRドライバー2017年モデル
葭葉ルミ選手=CRAZY CRZ-435
鈴木愛、宮里優作=PING Gシリードライバー
青木瀬令奈、吉田弓美子、マークセン=ゼクシオ9ドライバー
まとめ
ドライバーのスペックがその人のスイングを決めていると言っても過言ではないと思います。自分のスイングに合うか合わないか、これからどのスイングに近づけたいのかによって選ぶスペックが違ってきます。
例えばスイングのタメが作れない人は、手元調子を選んでタメができるようにサポートしてもらう。ある程度タメの感覚が分かってくれば中調子のシャフトを使ってみる。
高い球を打ちたいが上がらない人は、シャフト硬度をRにするかあるいは先調子のシャフトに変えてみる。などいろんな組み合わせが出てきます。友達のシャフトや、試打会でいろんなシャフトを試して、自分が目標とするスイングに合うドライバーシャフトを、探し出しましょう。
追記 2018.3.8
アイアンのシャフトについては「アイアンシャフトの種類&スペックとスイング」を参考にしてください。