逆転の発想-便利な社会に思うこと

逆転の発想-便利な社会に思うこと

2018年を迎え、また一つ年を取ってしまいました。年々物忘れが多くなり体力の衰えも感じています。日々の予定などは覚えきれないので、スマホにジョルテを入れてメモっていますが、日常のちょっとしたことはメモしてそれを見て行動するなどはしませんね。

風呂の栓の閉め忘れ

最近のユニットバスは夜の安い電気料金でお湯を沸かし、居間やキッチンでスイッチを押すとお湯張りをしてくれ、指定の量を入れると自動で止まります。何ら難しい操作はいらないのですが、浴槽の栓を閉め忘れると一回分のお湯を流してしまいます。

自動車が無人で動く時代にこういうことがあると情けなくなります。

幸いなことに、ある程度時間がたってもお湯が満タンにならないと、モニターに「栓の閉め忘れですよ」と表示してくれるので、エコキュートのお湯を全部無くすことはありません。それでも「栓が閉まっていなければお湯を入れないでよ」と言いたくなります。

私は以前に装置の設計をしていたのですが、センサーで対応するのがいやで、ソフトにたよることが多くありました。ハードを組み込む手間が無くなるからです。栓の閉め忘れ対応もソフトに頼っています。こういうことがよくあると分かっているので、お湯張りボタンを押すと「浴槽の栓は閉まっていますか」とアナウンスするのです。

このようなことは私の家だけかなっと思っていたら、若い世帯でも起きているみたいで年齢に関係なく多くの人が経験しています。さらに高齢化が進めばもっと増えるでしょう。

冷蔵庫の閉め忘れ

閉めたつもりが閉まっていない!冷蔵庫のドアです。先ほどの浴槽の栓とは違いここにはセンサーがついていて、ドアが開いていると音が出ます。なかなか考えられていますがそれでもドアの閉め忘れが何回もあります。

それは、最近の食器棚の引き出しが、ちょっと押しただけで最後の数センチを自動で閉めてくれるので、それに慣れてしまい冷蔵庫も同じようにやってしまうのです。

ある程度時間がたつと高音の小さい音で知らせてくれるのですが、おふくろの耳が遠いため気が付かないのです。もっと大きな音で知らせてくれればと思います。

郵便受けの場所

皆さんの家ではどこに郵便受けがありますか?玄関横の壁あたりに設置してある家がほとんどですね。新聞や郵便が配達されると、自分は家の中で雨に濡れることもなく受け取ることができます。なんて便利になったのでしょうと思っています。

配達する側から考えるとどうでしょうか。
車やオートバイを止めて降り、玄関まで行って郵便受けに入れる、戻って車に乗る。

道のすぐ横に玄関があればスムーズに配ることが出来るのですが、家が石段の上にあったり、郊外ではアプローチや庭があることが多いですね。寒い地域では引き戸付の風よけスペースまであります。

欧米では道路横の敷地内に郵便受けがあるので、敷地に入ることなく配達できます。住人はポストまで取りに行かないといけませんが、ほんの少し体を動かしますね。


日本では配達する側に大きい負荷をかけることが、当たり前になっています。私も年に数回ですが配り物をします。「道路の横にポストがあったらなぁ」とつくづく思います。

文明社会の落とし穴

私たちは、昔と比べものにならないほど便利になった商品に囲まれて暮らしています。テレビやエアコン、こたつ、浴槽のお湯張り、お客の応対など、いろんなことが遠隔操作(リモコンなど)で行うことができ、自分は一歩も動くことなく用は足りてしまいます。

ここまで便利になっているのに、ちょっとでも意にそぐわなければもっと良くしてほしいと考え、文句の一つも言いたくなってくる始末です。

先ほどの風呂の栓の閉め忘れをもう一度考えてみると、栓の閉め忘れはどうして起こるのでしょうか。

  • 前日の夜に栓を閉め忘れる
  • スイッチを入れる前の確認をしない
  • 栓を閉める人とスイッチを入れる人が違う
  • 閉めてあった栓を誰かが開いた

など他にもあると思いますが、ちょっとした思いのすれ違いや勘違いで起きるのがほとんどだと思います。それもお湯張りを遠隔操作でやっている場合が多いのではないでしょうか。

私の家もそうです。遠隔操作であるため時として浴槽の栓を確認することを忘れるのです。どれだけ「確認しましたか?」と言ってみても昨日閉めておいたはずなのに‥‥と。

逆転の発想

今の話、なんかおかしくないですか?
確認しなければならないのなら、遠隔操作は必要でしょうか。確認に行ってその場でスイッチをONにすればよいではないですか。私も当たり前のように遠隔操作でやっていましたが、ようやくこのことに気が付きました。

風呂場の中、それも栓の近くにモニターを置けば、失敗は少なくなるのです。

高齢者に優しい商品とは

今高齢化がどんどん進んでいます。そして高齢者に優しい商品をうたい文句に新しい商品が開発されています。それらは今よりもっと便利で、何も考えなくてもすべてを自動で行い、一歩も動かなくても用が足せるようになってはいませんか。

これが高齢者に優しい商品なのでしょうか。

脳が衰え認知症になりやすくなり、足腰が衰え動けない老人であふれるでしょう。

本当に優しい商品は、どうすれば良いかを自然に考えさせ、体を使って操作させる商品(e.g.セルフレジ、電灯のスイッチ)ではないでしょうか。

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