「相続税!そんなの関係ないよ」とお思いでしょうが、税制が改正されてからは意外と身近になってきました。両親が他界したときは自分が相続処理をしなければなりませんし、自分が他界したときは子供が相続処理をします。そんな時に戸惑わないように最低限の知識を身に着けておきましょう。
どんなものが相続税の対象になるの?
相続税の対象となる財産の範囲は以下のとおりです。最新情報は国税庁を参照してください。
- 動産
- 不動産(土地や建築物など)
- 無体財産権(特許権)
- 債権
- 現金
- 預貯金
- 有価証券(株式、国債、投資信託など)
- ゴルフ会員権、リゾートクラブ会員権
- 自動車、家財、書画骨董など
- その他金銭的価値を有するもの全て
- 生命保険金等
- 死亡退職金等
- 生命保険契約に関する権利
- 相続開始前3年以内に、被相続人から暦年課税にかかる贈与を受けた財産
- 生前に、被相続人から相続時精算課税にかかる贈与を受けた財産
相続税の対象から、非課税財産を控除する財産
相続税の対象となった財産から、借入などの債務、葬儀費用を控除し、さらに次に挙げる非課税財産を控除することができる。
- 墓地、仏壇、祭具などの祭祀用財産
- 国・地方公共団体、特定の公益法人に寄附した財産
- 生命保険金のうち、法定相続人の数 × 5百万円に相当する額
- 死亡退職金のうち、法定相続人の数 × 5百万円に相当する額
生命保険や死亡退職金の一部が非課税になることは意外と知られていませんね。将来の相続税対策に利用するのも一案です。
小規模宅地等の特例の限度面積が拡大
被相続人等の自宅の敷地が80%減額される特定居住用宅地等について、限度面積が240平米から330平米(100坪)まで拡大されました。この改正は相続税の基礎控除の引き下げ等による増税に合わせて、平成27年1月1日以後の相続から適用になりました。
路線価20万円/平米で500平米の自宅の評価の場合
20万円×500平米=1億円(自宅の評価)
20万円×80%×330平米
=5,280万円(小規模宅地等の特例の減額)
1億円-5,280万円=4,720万円(この価額を相続税の計算に算入)
相続税の計算
相続税は、相続発生後10カ月以内に現金で一括払いが原則
相続税の課税価格の計算
遺産の総額-非課税財産-債務および葬式費用+相続開始前3年以内の贈与財産 = 相続税の課税価格(千円未満切捨)
相続税の総額の計算および各人ごとの相続税の計算
相続税の課税価格合計-相続税の基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人数)= 相続税の課税遺産総額
相続税ってどのくらいかかるの
1,000万円で100万円の相続税です。
相続税が発生する広い土地を相続した場合、相続しただけで新たな出費となるので注意が必要です。
実際に相続税の計算をしてみましょう
相続 2人(子供2人)、預貯金 1,000万円、国債 1,000万円、生命保険1,000万円、宅地:600平米、地価 5万円 / 平米、住宅の評価:500万円
遺産の総額
1,000万円+1,000万円+1,000万円+600平米x5万円 / 平米 + 500万円 = 6,500万円
非課税財産
生命保険:500万円x2人=1,000万円
葬式費用:100万円
小規模宅地等の特例の減額:5×80%x330=1,320万円
1,000万円+100万円+1,320万円=2,420万円
課税価格
6,500万円-2,420万円=4,080万円
相続税の課税遺産総額
基礎控除 3,000万円+600万円 X 2人 = 4,200万円
4080万円-4200万円 = -120万円
以上ざっくり計算してみましたが、これくらいの相続で相続税が発生するかどうかの境目です。土地の価格と面積が大きく影響してきますから、思ったより少ない金額で相続税がかかってきますね。
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